
(和歌山市の和歌の浦アートキューブで開かれている「日本を護る艦(ふね)たちat和歌山」と題した絵画展、手前が海洋画家、志磨隆さん)

和歌山在住の海洋画家、志磨隆さんの「日本を護る艦(ふね)たちat和歌山」と題した絵画展が和歌山市の和歌の浦アートキューブで開かれており、覗いてきました。
志磨さんの個展は第21回目となりますが、今回展示されているのは、海上自衛隊由良基地分遣隊に停泊する潜水艦「けんりゅう」「たかしお」や和歌山港に入る護衛艦「とね」など、海上自衛隊の空母、潜水艦、護衛艦など30点。中には、東日本大震災の際、日本政府の要請を受けて救援活動に駆けつけ宮城県気仙沼大島への上陸支援に当たった米海軍の強襲揚陸艦「エセックス(ESSEX)号」の絵もあり、目を引きました。
志磨さんは、1943年生まれの71歳。多摩美術大学デザイン科を卒業後、車の内装デザインを手がけ、07年からは、その経験を活かし和歌山大学で講師も勤めました。2005年には豪華客船の旅にあこがれ、「ぱしふぃっく・びーなす」にお客で乗るつもりが、船会社の人に船上で絵画を教える講師として船に招かれ、世界を一周したという夢のような船旅を実現した自由人です。これまで帆船や豪華客船、さらには海外の港や船上生活など貴重な体験を透明水彩で絵に描いて個展を開いています。これまでの個展はほとんど拝見していますが、東日本大震災を機に、日本の海の安全を護る海上自衛隊や海上保安本部の艦(ふね)たちが中心に描かれています。日本ではこうした自衛艦を描く画家はほとんどいないといい、貴重な存在です。
また、米海軍「エセックス号」の絵は、日本支援の「TOMODACHI(ともだち)」作戦で活躍した米海軍の行動に感動した志磨さんが感謝を込めて「エセックス号」を描いて米海軍に贈呈したもの。その様子を大きく報道した米国の新聞「Stars and Stripes(スターアンドストライプス)」の掲載記事も絵とともに展示されています。今日はちょうど阪神大震災が発生した日、早く出動すべき自衛隊はなかなか派遣されなかった当時の時代状況、政治状況を思い起こしながらいろいろ考えさせられる展示会でした。
「日本を護る艦(ふね)たちat和歌山」展は和歌山市和歌浦南3丁目10の和歌の浦アートキューブD1(電話073-455で今月22日(火曜日は休館)まで開かれています。入場は無料です。
posted by nkouji at 15:50|
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